2008年9月22日月曜日

ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る













やや古い本だが、たまたま気になったので読んだ。内容は現在よく取り上げられている「格差」をテーマにしたもので、読もうと思えば1時間程度で読破可能。途中で挟まれるドキュメントは特に読まなくてもいいと思う。

年収200万円以下のワーキングプアを呼ばれる人々が、現在日本に500万人以上いること、そしてこれから日本を支える若年層の多くが「非正社員」であることが最初に問題提起されいる。そもそもなぜワーキングプアと呼ばれる人種が増えたのかというと、日本の企業が人件費をケチって正社員を雇わずに派遣社員やらアルバイトといった非正社員を増やしたことが原因だ。つまり、正社員という身分からドロップアウトしてワーキングプアになった中年連中は別にして、現在の若年層の非正規労働者は、日本の社会構造・景気の低迷により、社会人のスタートラインで正社員になれず、結果としてワーキングプアになってしまった可能性が高い。

現在、若年層のワーキングプアも普通に暮していけているのは、親と同居して生きているからだ。これをパラサイトシングルと呼ぶ。いわゆる実家暮らしであれば、家賃や食費はほとんど必要なくなる。ただし、このパラサイトシングルは親が親が生きていることが前提で成り立っているのであって、親が死んだ瞬間にワーキングプアという地獄が待っているという自覚が足りていない人が多いのだろう。

では、このワーキングプア問題を解決するためにはどうすればいいのか。著者は最低賃金の引き上げが必要だという。日本の最低賃金は先進諸国を比べても低い。ただ、最低賃金を引き上げるということは、どこかに引き上げた分のしわ寄せがいくわけだが、それが書かれていなかったのが残念だった。

今は正社員でのほほんと生きている僕も、いつ何のきっかけで「ワーキングプア」になるかわからない。危機感を持って生きる必要があるな。

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