2016年2月17日水曜日

機関投資家とのミーティング

第3Qの決算発表も終わったことで、今日は、国内中堅規模の機関投資家とミーティングを行った。投資判断としての取材というより、ざっくばらんな情報交換という意味もあったので、こちらからも一般的な質問を何点かさせていただいた。当たり障りのないレベルのQ&Aをメモ。


(Q:質問者は私 A:機関投資家の運用部門の偉い人)

Q:かつて国内機関投資家は、上場会社の議案にはほぼ賛成していたと思いますが、最近では反対する例も出てきていますね。2015年はどういう傾向が見えましたか。

A:まず、昨年(2015年)の機関投資家による議決権行使結果の注目点は、国内機関投資家で反対行使率が上昇したこと。その理由は、改正会社法やCGコードの要請に基づいて選任された多くの上場会社の新任社外取締役が、機関投資家の求める社外性基準に満たない、独立性が低い候補者だったことが原因だ。従って、会社法や取引所が要請するからといって、いい加減な人物を社外取締役にすると、厳しい議決権行使がなされる可能性がある。


Q:では、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の要求する「社外取締役2名」という要件については、どのようにお考えですか。

A:過去3年間で不祥事が発生した企業の62%が、発生時に社外取締役が0人若しくは1人という統計データが出ている。CGコードの定める「社外取締役2名以上選任」という定めは、形だけでも整える意義はあるのではないかと考えている。


Q:投資判断において、コーポレート・ガバナンス報告書(CG報告書)やCGコードはどのように活用されていますか。

A:私たち機関投資家は、投資先を判断する際、まずは財務情報でスクリーニングをかける。そして、実際に投資をするかどうかを判断する段階で、非財務情報から企業の持続的な成長(サスティナビリティ)を判断し、投資を決断する。その非財務情報として活用するのが、CG報告書でありCGコードである。従って、企業の中長期ビジョンとCGコード各項目の実施が、どう関係しているのか、その背景、意図なども説明されていると、投資家目線では分かりやすい。



感想:中堅規模とはいえ、運用部門ヘッド(ファンドマネージャー)とかになると、この人の年収は3000万円くらいなのかな、とか思いながら話を聞いた。

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