2016年2月26日金曜日

スマホの無料ゲームにどっぷりハマった件

つい先日、「TOEIC最終戦」などと書いておきながら、不覚にもスマホの無料ゲーム(ソシャゲ)にどっぷりハマってしまい、昨日ようやく削除することができた。当然ながら勉強はほとんどやっていない。

タイトルは「サマナーズウォー」。基本プレイ無料で、ゲームを有利に進めるクリスタルを一気に大量入手しようとすると、課金する必要がある。

ちなみにクリスタルというのは、このゲームにおいて万能アイテムで、強いモンスターを召喚できる、負けてもコンテニューできる、時間制ライフ等を一気に回復させることができる等々、とりあえずクリスタルがあれば何でもできるゲームである。

で、当然ながら、私は課金など全くする気はなく、勉強の合間の息抜き、暇つぶしに遊べればいいな、くらいの意識でダウンロードしてみたのだが、これがもう恥ずかしいくらいどっぷりハマってしまった。いい歳した大人が勉強そっちのけでハマってしまった理由は、以下の通りだ。


①グラフィックが美しい
「これ、本当に無料かよ」と思うくらい3Dポリゴンで描かれるモンスターは美しく、かつ動きも滑らかで、見ていて飽きがこない(最初は)。

②攻略性が高い
強いモンスターだけ揃えれば万事OKというわけではなく、そのモンスターのスキルアップや、ルーン付与、その他外部施設の設置による能力アップなど、工夫次第でモンスターがいくらでも強くなるため、頭がそこそこ良い人ほど、戦略を立てることができるようになっている。

③長時間遊べる
無料だったら一日10分くらいしか遊べないだろうと思っていたら、これが結構遊べるのだ。ストーリーを進めたりすることはもちろん、ルーン強化とか、モンスター召喚とか、色々やっていると、エネルギーを使い果たす頃には30分~1時間くらい経過している。また、エネルギーの回復も結構速いので、エネルギーを完全に使い果たしても、数時間すれば全回復、つまり全く課金していなくても1日何回も遊べる。

④毎日ログインさせる仕組み
毎日ログインさえすれば、そこそこのアイテムが必ずもらえる。つまり、このアプリを1日1回は開いてしまうことになる。更に、大して難しくはないタスクが10個程毎日用意されていて、このミッションを全てクリアすれば、クリスタルが10個もらえる。要するに無課金でも毎日10個のタスクさえこなせば、1週間で70個のクリスタルがタダでもらえるのだ。

⑤限定イベントが多い
かならず何等かの期間限定イベントが開催されており、それに参加することで様々なアイテムが入手できるようになる。


こうした仕組みにより、朝の通勤電車時間は、全て「サマナーズウォー」での時間と化してしまった。普通にやっているとストーリー中盤で敵モンスターが強くなり過ぎて、行き詰るのだが、ネットの攻略などを見れば、どうモンスターを育成すればよいかということが分かるので、そうした研究もあり、かなりストーリーを進めることができた。気が付けば、レベルは28になっていた(MAXレベルは40)。

更に、私の場合、良いキャラを偶然引いてしまい、それらの組み合わせでプレイヤー同士の対戦であるアリーナでかなりの勝率を挙げることができたので、余計にズブズブはまってしまった。上級者には及ばないが攻めのパーティはこうである。


Summonerswar
マジカルブラウニーは覚醒していないな

・ラピス(魔剣士水)
・バナード(グリフォン風)
・オリオン(マジカルブラウニー水)
・ルシェン(ジョーカー風)


何も見なくても覚えているのだが、彼らを使って以下の通りに運用すれば、自分より高レベルの相手にも高い勝率を保つことができた。

(1)まずバナードが「順風」で速度を上げ、これで味方全員が先手攻撃ができる。
(2)次にオリオンが「飛べ飛べ」で全体を攻撃、この攻撃はダメージは殆どないが、防御力を低下させる効果がある。
(3)ルシェンが「サプライズボックス」で全体攻撃、これもダメージ以上にランダムの弱体化効果を狙ったもの
(4)ラピスが「取立てる魔力」で更に全体攻撃。この時点で1匹でも敵が死ねば、もう勝ちは確定したも同然。
(5)相手の攻撃に耐える。ここで味方が1匹でも死んでしまうようであれば、それはレベル差が有り過ぎなのだ。
(6)バナードが「急降下」で死に掛けモンスターにとどめを刺すか、元気そうな敵に攻撃して、防御力を低下させる。
(7)オリオンの「軽いイタズラ」で全体にランダム弱体化をかけつつ、残ったルシェンとラピスのゲージを増加させ、次にこの二人の攻撃が連続する。
(8)ルシェンの「カード飛ばし」で全体に大ダメージを与え、生き残った相手にラピスの「解き放つ魔弾」でとどめを刺す。

ここまでで、大体のパーティは全滅か残り1匹になっている。逆に、この連続攻撃が終わっても、まだ相手の全モンスターがピンピンしていたら、それは負け確実である。

このように、かなりズブズブにハマった私ではあるのだが、だんだんと行き詰ってきた。


最たる理由はモンスターの育成である。


詳細は省くが、上位に行くには☆6のモンスターを揃えねば不可能で、かつ☆6モンスターを育て上げるには、かなりのコストが必要となるのだ。更に、潜在的なポテンシャルが高い純☆5、純☆4のモンスターを召喚できる確率はかなり低く(感覚的には純☆4が5%、純☆5が1%以下)、私など純☆5のモンスターはついに一度もお目にかかることなく終わってしまった(レベル28なのに)。となると、育てるにせよ当てるにせよ、☆6モンスターを揃えるには、かなりの回数のガチャを回す必要があり、非課金ユーザーでは分が悪いということになる。

非課金ユーザーでも☆6モンスターを揃える方法があるとすれば、それはもう単純にこのゲームに費やす時間を増やす以外にない。少しずつではあるが、時間さえかければクリスタルは集まっていき、ガチャも回せる。また、ログインイベントなどのアイテムで入手することもできる(またこれが途方もない時間がかかるのだが…)。モンスターを強くするには、レベル上げや、ルーン集めが必要で、何回も何回も同じダンジョンで戦うことが必要となり、ルーチンが増えてくる。

こうなってくると、このゲームに費やす時間が、スキマ時間の暇つぶしどころか、どっぷりと浸かってしまうこととなった。行きの通勤時間はもちろん、昼休憩、帰宅途中、そして休日。繰り返すが、時間さえかければある程度は強くなっていくような仕組みになっているので、絶対に課金しないと決めているのであれば、このような生活習慣になってまうのだ、必然的に。

ただ、よくよく考えてみると、上位モンスターのレベルに加え、スキルも上げるには莫大な時間が必要で、更にルーンも高レベルで作成しなければならないことが分かってくると、このゲームの上位に非課金で行くにはほぼ不可能ということを、ようやく悟った(課金者にはどう頑張っても勝てない)。そして、昨日、このゲームに費やした時間を考えると、このままではいけないとやっと気づいて、勢いでアプリを削除した。

似たようなエントリーが2015年のはてなブックマークでホットエントリー(無課金で数年続けていたソシャゲをやめて分かった、ただ1つの事実)されていたが、まさか私が同じようなトラップにかかってしまうとは思わなかった。多分、基本無料ゲームでちゃんと遊びたいのであれば、月に3000円くらいは課金が必要なのではないかと思う。上位を狙うのであればもっとだろう。たかだか数千円のために、何時間も費やしてしまうのはバカに見えるだろうが、本当にルーチンシステムが上手くできていて、なかなか抜けれないようになっている。


やったことはないが、パチンコとかもそうなのだろうか。まぁ、パチンコは基本無料ではないが。

※「月に3000円くらい課金が」と書いたが、よく考えてみれば3000円もだせば追加課金の必要ない普通の有料ゲームを何本か購入することができる。どちらの方が金がかかるのかと考えたとき、少し恐ろしくなった。


<関連エントリー>
無料ゲームは考え方によってはお金がかかっている(らしい)

2016年2月22日月曜日

ユーチューバー、おそるべし。

最近、株式投資界隈で話題のAppBankというマザーズ上場企業の決算修正のニュースに関連して「マックスむらい」という人(アップバンク社の役員)の動画を観た。この一連の騒動に関しては興味がないので言及はしないが(動画でマックスむらいさんはすごく怒っているし)、この「マックスむらい」という文字がデカデカと胸に書かれた赤いトレーナーを着るに男性がいったい何者なのか興味が湧いたので少し調べてみた。

この人の本名は村井智建、ネット界隈ではかなり有名な「ユーチューバー(YouTuber)」だった。実を言うと、私、この「AppBankは暴力団と関係ないよ!」「やまもといちろう氏は許せないよ!」というマックスむらい氏の動画を観るまで、ユーチューバーの動画を一切見たことがなかった。

「好きなことで、生きていく」というユーチューバーを形容するフレーズが、あまりにもアホらしかったのである。

しかし聞くところによると、彼らの動画はものすごく再生回数が多い上に、一部の小学生らには絶大な人気があるというではないですか。というわけで、これを機に、いくつか再生回数の多い「マックスむらい」の動画を視聴。(マックスむらい - YouTube



・・・。


・・・・。


・・・・・?



何だろうか、このラジオで身内の雑談を聞かされているような感じは。同じYouTubeを観るなら、スポーツとか音楽とかももクロとかの動画を観た方が、有意義な時間を過ごせることは間違いなさそうだったが、これは「マックスむらい」が僕に合わなかっただけで、実は、もっと僕のハートをがっちり鷲掴みしてくれるユーチューバーの動画なら、新しい世界が広がるかもしれない、そんな淡い期待を抱いて、日本一のユーチューバー言われている「HIKAKIN(ヒカキン)」の動画を観てみた。累計再生回数の多い動画と最新の動画を。当然ながら、ヒカキン氏(本名:開發光)の動画を視聴するのは、これが初めて。(HikakinTV - YouTube

HIKAKIN
ヒカキンさん

・・・・。


端的に言うと、「○○を食べてみた」とか「××を買ってみた」とか「△△のアプリで遊んでみた」とか、よく個人ブログで書かれている商品レビュー等を、動画でやっているだけだった。ただ、話口調などに嫌な感じは一切せず、気づけば動画を最初から最後まで見てしまっていた。考えすぎかもしれないが、声のトーンとか商品の見せ方とかタイミングとか、かなり緻密に計算して撮影、編集されているのではないだろうか。

とは言え、ずっと見ていたい、何回も繰り返し見てみたい、と思うような映像でもなく、2つほど動画を拝見してから、そっとユーチューブを閉じた。


・・・閉じたのが、ただ、僕が少し気になったのが、本来の動画の主旨とは全然関係ない、動画の撮影で映されたマンションの設備のグレードである。バスルーム、キッチン、ドアなど、かなり洗練されたスタイリッシュで高級そうな設備が写し出されており、この人、いったいどういうグレードのマンションで生活しているのだろうかと興味が湧いた。

さすがネット時代、googleで「ヒカキン 年収」で検索してみたところ、同じようなことを考えて、すでに当該マンションを割り出しているネット住人が何名もいたので、調べることは、左程難しくなかった。


結論を言うと、HIKAKINは現在、家賃月160万円の東京都港区赤坂の高級マンションに住んでいるらしい(家賃150万円という説も有り)。家賃160万円である、16万円でも一人暮らしには十二分高いし、良い部屋に住めるが、こいつはゼロが一つ違った。売れっ子の芸能人かよ。いや、「堀北真希・山本耕史夫妻の家賃が35万円」とセンチュリー21の社員がTwitterでバラして炎上した事件もあったが、堀北夫妻でも家賃35万円なのである。勝ち組芸能人の遥か上ではないか…。

そうなると、気になるのは年収だが、やはり億単位で稼いでいるようだ。住居の家賃だけで年間2000万円近くかかるのだから、それくらいの年収は当然だろうが、まさかユーチューバーの連中が億単位で稼いでいるとは予想だにしなかった。ちなみにこのヒカキン氏、「僕の仕事はYou Tube」という本を出版したり、テレビCMまで出ているので、年収の中身は純粋なYouTube広告の収入だけではないだろうが、大半はYouTubeからの収入だと考えて間違いないだろう。僕は、せいぜいトップの連中も年収1000万円くらいで、その程度でよくネットに顔出しして、アホなことばっかりできるよな、とか思っていたが、億単位で稼げて、月160万円のマンションに住めるというのであれば、話は別である。

「好きなことで、生きていく」 ユーチューバー、おそるべし。

おそらく、ユーチューバーたちの中には、既に勝ち負けがはっきりと分かれているだろう。大半の負け組ユーチューバーは悲惨で年収はコンビニのバイト以下とは思うし、上位1%のユーチューバーが全ユーチューバーの再生回数の9割を占めるような熾烈な世界だとは容易に想像できる。しかし、このHIKAKINの映像を見ると、極めて普通の男性が、単純にものを作ったり、食べたり、ゲームしたりしているだけであり、要するに「これくらい俺でもできそう」なくらいハードルが低く見えるのだ(実際、スマホで撮影した動画をYouTubeに投稿するだけであれば、ハードルは低い)。そして、上手くいけば、月160万円のマンションに住めるのである。パズドラとかモンストで遊んだりしているだけで、プロ野球選手のトップクラス並みの年収が得られる(かもしれない)のである。

だから、このHIKAKINやマックスむらいが消え去るまで、このユーチューバーへ新規参入するドリーマーは後を絶たないと思うが、今からヒットするのは、ほぼ不可能に近い。もし今から参入して大成功できるとすれば、かなりの才能と努力に加えて運が必要になるであろうし、そして、それだけの力がある人であれば、別にユーチューバーでなくとも成功できるのではないかと思う。

とは言え、ふと思ったのだが、こういったHIKAKINたちの動画を観る人たちって、どういう人なのだろうか。安い給料で働かされ、お金がないからYouTubeやスマホの無料ゲームで時間を潰すしかないような若者ではないだろうか。本当はお金を使って色々遊びたい、しかしお金がないから、その代わりにHIKAKINたちが遊んだりモノを買ったり食べたりする動画を観て満足するのだ。だとすれば、彼らの使い道のない時間が、HIKAKINたちの所得への変わっていく、新手の貧困ビジネスとも呼べなくは、ないな(笑)

ユーチューバーの動画を観て、原則無料のスマホゲームで遊んでいる若者たちよ、勝ちたければ、コンテンツは作る側に回るのだ。ただ、もうユーチューバーは寡占状態だからやめておけよ。


<追記>
調子に乗って色々ユーチューバーについて調べてみたけれど、メイク動画を紹介する「佐々木あさひ」さん、可愛いね!それだけ。(sasakiasahi - YouTube

<追記2>
ヒカキンさんについて、更に詳しく調べてみたところ、ユーチューバー以前にビートボックスの有名人で、エアロスミスとの共演をはじめ、SMAPの番組に出演したり、その分野(ヒューマンビートボクサーというらしい)としての第一人者であることが分かった。

ビートボックスの動画をユーチューブに投稿し、動画再生回数日本一を樹立したことから、ユーチューブの可能性にいち早く気付いたヒカキン氏。加えて、海外のユーチューバーがゲーム実況などを行うことで、広告収入を得ているビジネスモデルを知り、ビートボックスの一本足打法から総合的なユーチューバーへと舵を切った。そして、今の盛況を見るに、その舵切りは大いに成功したと言えるだろう。(HIKAKIN - YouTube

あの微妙な商品紹介やゲーム実況動画も子供をメインターゲットにして製作されており、我々のような心が汚れてしまった大人が視聴しても「」なのは当然なのだ。現代の子供が一人1台スマホを持っている通信環境を考えると、そのターゲット戦略も十二分に成功している。

つまり何が言いたいのかというと、ヒカキン氏はビートボックスという分野で既に地位を確立した上でユーチューバーとして成功しているのであって、ただちょっと面白い兄ちゃんが、カメラの前でご飯を食べたり、ゲームで遊んだりしているだけで成功したわけではないということだ。

お前ら、何の実績もないのに「好きなことで、生きて行く」なんてフレーズに乗せられて、ユーチューバーになんてなっちゃだめだぞ。(改めて)


<関連エントリー>
色々と調べたので、改めて書きました。

ユーチューバーになりたいか・・・?(2016年7月14日)

2016年2月18日木曜日

TOEIC最終戦

「今さら、再挑戦ですか(笑)」・・・と思われそうだが、再びTOEICに挑戦することに決めた。


国際ビジネスコミュニケーション協会
発売日 : 2014-11-12


理由は単純で、今年の5月からTOEICの試験形式が刷新さてしまい、現行の試験形式は2016年4月が最後となるからだ。これまで何十回も受験してきた現形式のTOEICに対する僕自身の総決算という位置づけで挑戦したい。

目標は、このスコア以上。



教材は、「TOEICテスト新公式問題集 Vol.6」に苦手なリーディング対策として「TOEICテスト公式プラクティス リーディング編」を使って補強していく。試験まで時間もあまり残されていないし、今から新しい問題集に手を出しても無駄だろう。間違いなく、これまでの学習の中に答えはある。

当たり前のことだが、勉強しなければ目標スコアは達成できず、勉強時間を増やすには仕事を早く終わらせなければならない(手を抜くわけではなく)。仕事を早く終わらすには、集中力が必要で、その集中力を維持するには日々の疲労を残さないようにする工夫が必要。現状、睡眠時間が平日4時間程度しかなく、その原因の一つは帰宅から入浴までの時間が長いこと。

となると、目標スコア達成の第一歩目は、帰宅後早く風呂に入ること、という結論になった。幼稚園児級の目標ですね。


<関連エントリー>
2016年5月からTOEICが変わるようです(2015年11月6日金曜日)

2016年2月17日水曜日

機関投資家とのミーティング

第3Qの決算発表も終わったことで、今日は、国内中堅規模の機関投資家とミーティングを行った。投資判断としての取材というより、ざっくばらんな情報交換という意味もあったので、こちらからも一般的な質問を何点かさせていただいた。当たり障りのないレベルのQ&Aをメモ。


(Q:質問者は私 A:機関投資家の運用部門の偉い人)

Q:かつて国内機関投資家は、上場会社の議案にはほぼ賛成していたと思いますが、最近では反対する例も出てきていますね。2015年はどういう傾向が見えましたか。

A:まず、昨年(2015年)の機関投資家による議決権行使結果の注目点は、国内機関投資家で反対行使率が上昇したこと。その理由は、改正会社法やCGコードの要請に基づいて選任された多くの上場会社の新任社外取締役が、機関投資家の求める社外性基準に満たない、独立性が低い候補者だったことが原因だ。従って、会社法や取引所が要請するからといって、いい加減な人物を社外取締役にすると、厳しい議決権行使がなされる可能性がある。


Q:では、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の要求する「社外取締役2名」という要件については、どのようにお考えですか。

A:過去3年間で不祥事が発生した企業の62%が、発生時に社外取締役が0人若しくは1人という統計データが出ている。CGコードの定める「社外取締役2名以上選任」という定めは、形だけでも整える意義はあるのではないかと考えている。


Q:投資判断において、コーポレート・ガバナンス報告書(CG報告書)やCGコードはどのように活用されていますか。

A:私たち機関投資家は、投資先を判断する際、まずは財務情報でスクリーニングをかける。そして、実際に投資をするかどうかを判断する段階で、非財務情報から企業の持続的な成長(サスティナビリティ)を判断し、投資を決断する。その非財務情報として活用するのが、CG報告書でありCGコードである。従って、企業の中長期ビジョンとCGコード各項目の実施が、どう関係しているのか、その背景、意図なども説明されていると、投資家目線では分かりやすい。



感想:中堅規模とはいえ、運用部門ヘッド(ファンドマネージャー)とかになると、この人の年収は3000万円くらいなのかな、とか思いながら話を聞いた。

2016年2月15日月曜日

大前研一氏の「ドットコム仕事術」を読んだ

今日も本の感想を。


社会人になってから、もう何冊も読んでいる大前研一氏の本だが、今回は仕事術の文庫本「ドットコム仕事術」を読んだ。500円代で安いなぁと思って購入したのだが、2003年に出版された本の文庫版だと購入後に知った。

内容は大前氏の他の本の焼き直し・・・というか逆に、「即戦力の磨き方」とかが、この本の焼き直しなのか微妙な所だが。ジャック・ウェルチと仲が良いのは、もうよくわかっているよ…。

さて、本書においても色々な大前流のノウハウがかなり自慢気味に紹介されているが、大前氏が代表を務めたマッキンゼーのような外資系コンサルにでも就職していない限り「参考になるかー」と思えるものが多かった。むしろ、僕が感銘を受けたのは以下のような努力の跡の記述だ。日立製作所を辞め、マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職した大前氏が、そこで行った体験談を綴る箇所から引用。


マッキンゼーのライブラリーには過去、世界各地で手がけた仕事に関するレポートがマイクロフィッシュの形で保存されていた。私は土日の休みも返上し、1年ほどかけてその全てを読破した。理系出身の経済オンチというハンデを克服したい一心だった。


東工大院→MIT→日立製作所→マッキンゼーという経歴を辿ってきた「天才エリート」でさえ、やはり成功するためには人一倍の努力をしているのだなと、関心してしまった。天才でも何でもない凡人が成功するためには、小手先の仕事術よりも、大前氏のこういった努力を見習うべきではなかろうか。

あと他に、「サイバー墓参り」というアイデアが紹介されていたが、名前から分かるようにチョット無理があるように思えた。いや、天才は数年先を見越して凡人には理解しがたいときが多々あると聞いたことがあるので、あと20年もすれば、このサイバー墓参りも一般化するかもしれないな。

2016年2月8日月曜日

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

著者 : アダム・グラント  監修 : 楠木 建 
三笠書房
発売日 : 2014-01-10


友人から勧められて「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」を読んだ。

ギブ&テイク、良く使われる言葉であるが、本書の主張は一貫していて「情けは人のためならず」である。そもそもこの言葉を「同情するなら金をくれ」みたいなニュアンスでとらえている人がいるが、そうではなくて「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にでも親切にせよ」(ウィキペディアより)という意味である。 もちろん、本書は本来の「情けは人のためならず」の意味で書かれた本。

著者であるアダム・グラント氏は、執筆時29歳、ペンシルベニア大学ウォートン校教授で、同大学史上最年少の終身教授だ。グラント氏によると、人は3つに分類される。

・ギバーGiver:他人中心。相手の利益を考え、惜しみなく与えようとする。
・テイカーTaker:自分中心。真っ先に自分の利益を優先させる。
・マッチャーMachter:損得のバランス、ギブ・アンド・テイクを重視する。

この中で、最もビジネスで成功するのはどのタイプなのかというと、それは意外にもギバーである。なぜかと言うと、世の中の大半の人は「やってもらった分だけお返しする」マッチャーであるため、ギバーは先に与えた分、直接的・即効性はなくとも、何からの形でお返しが期待できるからだ。逆にテイカーは最初は良いかもしれないが、大半のマッチャーはその分を何らかの形で「お返し」しようとするので、長い目でみると損するというわけである。特に今の世の中はSNSなどの影響が強く、その人の評判が瞬時に拡散されるという特性があり、ギバーが成功しやすい時代であると言える・・・と僕は理解した。

「全米バスケットボール協会(NBA)」のスカウトマン、スチュ・インマン氏と伝説のバスケットボールプレイヤー、マイケルジョーダン氏との比較を始め、興味深いエピソードが数多く解説されており、読んでいて飽きることはない。自分がギバー、テイカー、マッチャーのどれなのか考えながら読むと、より一層楽しめるのではないだろうか。

ちなみに、僕はというと、幼少の頃から極めてマッチャーな人間である。しかし、これまでの僕の人生で出会った友人の中で、多くの人に好かれながらも成功を収めているのは、ギバー特性を持った人であるのは間違いがない(というか、この偏屈な僕と友人付き合いを続けてくれている時点でギバーなのだが・・・)。 少しでも「与える人」でありたい、本書を読み終えてそう思ったわけだが、その後、アマゾンに書かれてあった以下のレビューに「はっ」とさせられた。

“例えば、「ギバーとして振る舞うと得があるのかー」と捉えるのも1つだが、そもそもその思考自体がテイカーそのものだ。”


実に的を射ていると思った。 いずれにせよ、困った人を助けることができるギバーになるには、与えることができるだけの実力が必要となってくる。無力な人は、与えることなどできないのだ。もっと自己研鑽が必要だな。

2016年2月5日金曜日

2016年株主総会のスケジュールの作成

早いもので、今年も既に2月が突入した。

2月といえば、株主総会担当者はそろそろ株主総会のスケジュールを作成しなければならない時期であり、これを作成すると、いよいよ株主総会準備が本格的にスタート、という感じがするものである。

さて、今年の株主総会で課題となることは大きく分けて次の2点。①改正会社法に対応した事業報告の記載②コーポレートガバナンス・コードを踏まえた招集通知の作成、この2つである。しかし、スケジュール日程を作成するに当たっては、特段影響を受けないので、昨年通りスケジュールを作成すれば問題ない。ただ、今年から招集通知のカラー化に踏み込んだりしていなくても、上記②のコーポレートガバナンス・コード対応には少なからず時間が必要になるのは間違いないので、招集通知作成には時間の余裕を見た方が良いだろう。

スケジュール作成で僕が毎年使っているのは、以下の2つだ。

・別冊商事法務「平成28年版 株主総会日程
・株懇の会合(分科会)で配布される決算事務日程表

まず、別冊商事法務「平成28年版株主総会日程」は定番中の定番。株主総会の開催日別にスケジュールを作成してくれているので、該当する日の日程を辿っていけば、適法で無難なスケジュールが完成する。実務上は会社によって取締役会等の日程は異なるため、モデルケースを直接当てはめることはできないが、一応これをベースに作成する日程が基本。本体価格は税別4400円と高い上に使う期間も超短期間だが、非常に使いやすいので、とりあえず購入して手許に置いておくことがお勧めだ。監修は国内最大の証券代行である三菱UFJ信託銀行。

このベースへの肉付に役に立つのが、株懇の会合(分科会)で配布される「決算事務日程表」だ。商事法務の「平成28年版株主総会日程」より詳しく書かれた部分もあるので、それらを追記していけばより完成度は高くなる。セミナーには参加して、解説も聞きいておくことをお勧めしたい。

もし、入社1年目程度の若手社員とか異動で初仕事という人に推薦したいのが、この日程表に記載されている「関係法令」を一度全てポケット六法等で引いてみることだ。相当手間がかかるが、どの条文が根拠になっているのか確認することで、かなり勉強になるし、会社法や上場規程の理解も進むと思う。



最後にオマケ情報を・・・。

・2016年6月総会の集中日は6月29日(水)
・会社法改正により会計監査人の選任議案には監査役会「決議」が必要となった(従来は「同意」)。会社法344条参照。
・ISSは議決権行使助言基準を改訂し、買収防衛策議案がある場合、招集通知が総会の「4週間以上前」に証券取引所のウェブサイトに掲載されていることを賛成条件の1つとした。
・株主総会のあり方検討分科会において、有価証券報告書の開示を早めて株主総会招集通知は計算書類等を省略して簡素化するという議論が行われている。
・配当金の除斥期間は3年~5年と定めている会社が多いが、期間満了後も払っている会社は相当数存在している。しかし、最近では除斥期間満了後も支払うことはコンプライアンス上問題有という見解の会社が増えてきた。
・株主総会議決権行使書は総会終了後、本店に3カ月間備置しなければならない(会社法311条)が、1年間備置している会社が多い。個人情報に当たるため、廃棄手続には要注意。
・2016年1月8日「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」が公布されたが、実質的な影響はない。
・2015年10月15日、会社法改正に伴って日本監査役協会から改定版「監査報告のひな型」が公表された。内容は変わっていないが、形式は大きく変わっている。招集通知作成に関係する部分なので、監査役とはよく相談すべき。


<追記>
上記で紹介した別冊商事法務「平成28年版株主総会日程」において、1か所誤植を見つけました(笑)三菱UFJ信託銀行に喧嘩を売るようで怖いので、敢えてここでは書きませんが、もし気になる方はメール下さい。

2016年2月2日火曜日

当ブログおすすめの記事 


最近、特定の記事にアクセスが集中しているようなので、まとめて紹介しておきたい。定期的に入れ替えを行う予定です(覚えていれば)。


■資格の勉強方法 (アクセス数が最多!)
ビジネス実務法務検定試験2級に合格する方法

■株式法務関係
株主総会の受付業務フロー
株主代表訴訟制度の経緯と問題点
新任の株式実務担当者へ<new>
債権者の保護はなぜ必要なのか(会社法)<new>
中小企業を買収する際の法的留意点<new>

■IR関係
IR担当者の嘆き
株主から電話でよく受ける質問

■買収防衛策関係
ブルドックソース事件の考察
日本電産と東洋電機製造の買収合戦について
エフィッシモ キャピタル マネージメントの投資スタイル

■TOEIC関係
TOEICでのカンニング行為
TOEICは誤った解答で減点されないよ<new>

■ハゲタカ
ハゲタカのDVD
ハゲタカ クラリスのセリフ
ハゲタカの鷲津政彦に憧れて

■おしゃれ関係
-10kgのダイエットに成功
髪の毛の硬い人のヘアセット方法
無難なお洒落の方法(社会人男性編)<new>
オシャレ男子たちよ、鼻毛ワックスを使え<new>

■おすすめ音楽
人生スパイス -go for broke-(椎名慶治)
ピアノとカホンの演奏「→Pia-no-jaC←」がすごい!
個人的に好きなサーフィス(surface)の曲ベスト5
ミスチルの「B-SIDE」は思い出の宝箱<new>

■ユーチューバーについて
ユーチューバー、おそるべし。
ユーチューバーになりたいか・・・?
ユーチューバーってなんなのさ?
YouTuberヒカル氏とGoogleについて思うこと<new>

■バドミントンについて
田児賢一(バドミントン)と違法カジノ問題について思う
頑張れ、佐々木翔(バドミントン)
リオオリンピック、バドミントンを振り返って
俺のカーボネックス20(CARBONEX20)が泣いている<new>

■ブックオフについて 
ブックオフが苦戦している理由<new>
ブックオフの買取価格は安いのか<new>

■スプラトゥーン2
Splatoon 2(スプラトゥーン2)はライトゲーマー層には、遊びにくいゲームだった<new>

■その他(雑記)
中小企業の社員の特徴(←特におすすめ!!)
ニャーキャリの閉鎖
買って良かったモノシリーズ
勝手にカフェランキング
最低・最悪だった不動産屋の話
読まれるブログにするための10カ条!?
仕事ができる人の心掛け
「人生に正解はいくつもある!」ドラゴン桜(DVD)桜木弁護士の名言<new>
DJ集団「レペゼン地球」が日経に出ていた件<new>


※※※※以下はおすすめの本※※※※


■法務関係のおすすめ本
株式事務の基礎知識
おすすめの会社法入門書<new>

■ファイナンス関係のおすすめ本
MBAバリュエーション

■英語関係のおすすめ本
TOEICテスト650点突破!文法講義の実況中継
はじめての新TOEICテスト 完全攻略バイブル
TOEICテスト公式プラクティス リーディング編
マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」は英語入門書として最適なのか?<new>

■自己啓発関係のおすすめ本
だからおまえは落ちるんだ、やれ!(←特におすすめ!!)
アドラー心理学「嫌われる勇気」
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
「悩む」と「考える」は違う<new>
週110時間、平日18時間働いたサイバーエージェント藤田晋社長の伝説<new>


■漫画のおすすめ本
おやすみプンプン(←特におすすめ!!)
「アルスラーン戦記」が王道ながら面白い!

2016年2月1日月曜日

ピアノとカホンの演奏「→Pia-no-jaC←」がすごい!

年明けに早々のエントリーで「ネットでぐるたみんを発掘した」と報告したが、その後も時間があったらYouTubeで面白そうな音楽を視聴しまくった結果、見つけてしまったのだ…。

ピアノジャック を。。。



→Pia-no-jaC← 「台風」 

この二人組はもうプロなので、ユーチューブやニコニコ動画で【歌ってみた】を流している歌い手(そもそもピアノジャックは歌手ではないが…)とは全然違うのだが、この独自の演奏には衝撃を受けた。

特にカホンの方。

→Pia-no-jaC← HIRO(カホン)
HIRO(カホン)

ピアノ演奏のHAYATOの技術も相当なレベルだと思うが、やはりPia-no-jaCが他のアーティストと一線を画するのは、このカホン担当のHIROの存在だろう。時折挿入される


アーイッッッ!!


という魂の叫び声が、最初は不気味だったが、だんだんとこの声が「味」なのだということに気づいた。これは人によって好き嫌いがはっきり分かれるだろうが、僕は好き。爆発的なヒットはしないものの、一定の根強いファン層が存在することも納得である。

既にベストアルバムが発売されているようなので、早速、アマゾンでポチって全曲聴いてみた。ベスト盤なのでどの曲もお勧めなのだが、その中でも1曲選べと言われたら、僕は「うさぎDASH」を推したい。「うさぎDASH」は始まりはゆっくりなのだが、突然アップテンポに変わり、底抜けに明るいメロディが良い。

また、ファイナルファンタジー5をプレイしたことがあるなら、「ビッグブリッヂの死闘」も聴く価値が高い曲だ。万人受けはしないだろうが、「なんかすごいものを聴いてしまった・・・」と思わされること間違いなし。死ぬまでには一度聴いてみて欲しい曲である。

チャンスがあればライブにも足を運んでみたいな。

→Pia-no-jaC←
著者 : →Pia-no-jaC←
SPACE SHOWER MUSIC
発売日 : 2011-09-06