2014年3月4日火曜日

株主総会にお土産は必要なのか

先日参加した株式担当者の会合で話題になったのが、株主総会に来場した株主に配布する「お土産」についてだ。

僕が記憶している限り、ライブドアがニッポン放送を買収しようとした辺りから、株主総会で来場者にお土産を配るの会社が増えてきた。

昔から自社製品であったり、電車代としてプリペイドカードを配布していた会社はあったようだが、その頃から配られ始めたのは、自社のサービスとは全く関係のない1000円前後のお菓子類であったりノベルティグッズ。狙いは「個人株主」で、配当、優待に次ぐ第三のエサとしてお土産が活用されるようになってきた。こうして6割くらいの上場会社が何等かのお土産を配ると、お土産を配っていなかった会社も一斉にお菓子類のお土産を配布するようになり(この辺りが日本的だと思う)、株主総会に行けばお土産をもらえるのが通常で、お土産のない会社は珍しいくらいに状況は変わってしまった。中には総会後に懇親会と称して、株主と経営陣の立食パーティまで始めた会社まであった。

で、最近ではこのお土産を廃止したい考えている株主総会担当者が増えているのだ。

廃止を検討している主な理由は以下の2点。

1.お土産目当てだけで株主総会に来場する株主が大幅に増えたこと。(注1)

2.お土産の内容に苦情を言われるケースが多くなったこと。(注2)

担当者としては、1番は良いとして(良くないが)、2番のようにお土産にクレームを付けられると辛いものがある。こちらとしては、少しでも来場してくれた株主に喜んでもらおうと、渡す義務のない品を渡しているのだ。中には毎年新しいお土産を企画している会社まであって、そういった会社の担当者はクレームを聞いたら即日で廃止したいと思うことだろう。

なお、お土産の廃止を決めた会社は、唐突に廃止するのではなく、当日のトラブルを避けるために何等かの方法で事前周知を行ってから廃止するのが一般的なようだ。廃止するにも若干手間はかかる。


そもそも株主総会にお土産は必要なのだろうか。


当初の考えは、わざわざ来場して頂いた株主に、その手間賃代として渡していた。その手間賃代が目的で大量に来場するようになれば、本末転倒であろう。廃止の流れができて当然である。

あまり大きな声では言えないが、個人株主と呼ばれる連中の中でも、会社に苦情の電話してきたり、株主総会にまでやって来るようなタイプは・・・(自主規制しました)・・・というのが、何百人もの個人株主と直接対話してきた僕の正直な感想だ。

総会後に個人株主との懇親会を行っていた会社は、個人株主が食事だけガンガン食べて帰っていく様を見て、役員連中からこんなことやっても無駄ではないかという意見が出たという。その結果、続々と懇親会は廃止されたわけで、お土産もその運命をたどるのであろうか。


(注1)特に昨年はお土産だけもらって帰る途中退席者が半数以上いた会社もあった。この株主が来なくなれば、もっと小さい会場で開催することが可能で、会場コスト、当日の事務コストを下げることができる。

(注2)自社のロゴの入ったフリクションボールを配布したところ、使い方が分からないといったクレームが殺到した・・・といった例を聞いた。

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