2013年10月30日水曜日

社外取締役の導入状況等々

今年も株主総会シーズンを終えて早4か月。意識の高い会社(担当者)であれば、そろそろ来年の傾向と対策を練り始める頃だ。最近読んだ書籍などから押さえておきたいポイントを僕なりにピックアップしたので、暇な人は読んで下さい。


■東証上場会社は社外取締役を導入した方がいいの?

平成25年9月10日、東証から社外取締役の選任状況が開示された。それによると東証1部上場企業で62.3%の会社が社外取締役を導入している。社外取締役導入企業は2004年の30.2%から一貫して増加傾向にあり、今後も増加するものと思われる。東証1部に上場している企業、もしくは1部上場を目指している企業は社外取締役の選任を真剣に考える必要があるだろう。


■法律の改正により色々な書類で「独立役員」を記載することになったが、注意点は?

金融商品取引所の規則改正や内閣府令の改正により、複数の提出書類で独立役員に関する記載をする必要性(努力義務含む)が出てきた。記載が必要な書類は「独立役員届出書」「コーポレート・ガバナンス報告書」「事業報告(招集通知)」、「株主総会参考書類」、「有価証券報告書」で、それぞれの書類で字句、表現が統一されているかチェックする必要がある。


■議決権行使助言会社は最近どんな動きをしているか。

平成25年3月末の投資部門別の株式保有比率は外国法人等の比率が過去最高(27.8%)となり、海外の議決権行使助言会社(ISSとグラスルイス)の助言方針は無視できない状況となった。注目すべきは社外取締役の選任状況についてであり、「総会後の取締役会に社外取締役(独立性は問わない)が一人もいない場合、経営トップである取締役を反対推奨」(ISS)、「取締役会が11人以上の取締役で構成されている場合:20%以上の独立社外取締役がいない場合、会長もしくは社長の選任に反対助言」(グラスルイス)等となっており、若干の違いはあるものの、外国法人等の株式保有比率の高い会社で社外取締役を導入していない場合、経営トップの役員選任議案には多くの反対票が集まることが予想される。


■最近耳にする「日本版スチュワードシップ・コード」とは?

金融庁は、機関投資家が適切に受託者責任を果たすための原則を策定することを目的として、「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」を設け、年内の取りまとめを目指して作業を開始した。スチュワードシップ・コードとは、機関投資家に向けて、2010年に英国で策定された行動原則のこと。英国では、機関投資家に対して、投資先企業と対話し、株主総会議案について適切な投票を行うことが要請されている。また、対話や議決権行使結果について開示することも求められる。日本版スチュワードシップ・コード導入の暁には、機関投資家による株主権行使の詳細開示が行われるようになる可能性がある。


<参考>
東証上場会社における社外取締役の選任状況等について(東京証券取引所HP)

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