2010年4月11日日曜日

リアル

リアル 9 (ヤングジャンプコミックス)
リアル 9 (ヤングジャンプコミックス)

久しぶりに漫画にハマったので紹介しておきたい。僕が社会人になってから面白いと紹介した漫画「皇国の守護者」「キングダム」とは全く系統が違う漫画で、作者はスラムダンクで有名な井上雄彦氏。最初は車椅子バスケの漫画なのかと思ったが、中心は車椅子バスケではなく、あくまで人間と障害。障害を負った者と負わせてしまった者の人間ストーリーだ。

この漫画では主人公が3人出てくる。病気で片足を切断した戸川清春、交通事故で下半身不随になった高橋久信、自分が起こした事故で女性を下半身不随にしてしまった野宮朋美…。この3人は経歴も考え方も全然違うのだが、唯一共通しているのは「バスケットボール」だ。

人間の心理描写が絶妙で、一気に引き込まれてしまうのは、さすが井上氏といったところ。自分もある日二度と両足で立てないことになったらどうするのか、ということを「リアル」に考えさせられてしまう。漫画の主人公たちも決してポジティブに障害に立ち向かってはいない。今までと全く違う人生、悩み苦しみ、時には自殺未遂まで起こすが、それでも周りの人間に支えられながら自分自身を受け入れていく。

現在は9巻まで出ており、僕は一気に全巻読破してしまった。そして9巻の終り方も次を期待させる終わり方で、本当に上手く構成していると感心してしまった。老若男女問わず万人に読んでみてもらいたい作品だ。

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