2008年4月21日月曜日

敵対的買収の防衛措置について

いわゆる講演の速記録を読んだ。当然話し言葉で書かれているので分かりやすい。大学受験で言う実況中継シリーズみたいなものか。

今回のテーマは森本滋教授による「敵対的買収の防衛措置について」。これも今の僕が読まないわけにはいかない。

ベルシステム24事件→ニッポン放送事件→ブルドックソース事件と、それぞれ買収事件の経緯と判例を参考に、買収防衛策の流れを分かりやすく説明されていた。参考になる部分は色々とあったのだが、僕が一番注目したのは、いわゆる「買収防衛策の指針」に対する見解。まず指摘されていたのが、第三者委員会について。第三者委員会は単なる諮問機関であり、取締役会がその判断を参考にすることにより、取締役の判断に対する信頼が高まるという効果が認められるに過ぎず、法的に認められたものではないこと。次に、株主意思の確認原則について。株主意思の確認には、株主総会の普通決議でいいのか、特別決議がいいのか、定款授権に基づけばいいのか等、その方法が曖昧だということ。よって、近い将来、今回のブルドックの判決を受けて「指針」も再整理されると予想されるので、現時点における実務の具体的指針としてあまり役に立たないと。となると、今僕が必死に勉強していることは一体何になるのか…。

その他、「(買収防衛策の)普通決議による勧告提案はアンケート調査」など、昔の商事法務の座談会でも言っていたことが強調されていた。最後に、買収防衛策を導入する企業が増えて、弁護士事務所はその手数料が儲かっているので、「ロイヤー・パラダイス状況」になりつつあると。パラダイスなのは商法学者も同じではないのかなと思ったのだが、違うのだろうか。

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