2008年4月15日火曜日

「商事法務№1824」(商事法務)

「商事法務№1824」を読んだ。

まず、トップには会社法の施行規則と計算規則の改正案が掲載されていたが、これはまだ「案」なので、大事なことも載っているだろうが、やはり「案」なので飛ばすことにした。正式に変更が決定してからじっくり読むことにする。

次に、葉玉弁護士による株券電子化への実務対応の最終回。まず、株主としての対応で、特定口座は迅速に株式を売却できない等、メリットがあまりないので、証券会社で口座を作ってさっさと預託してしまった方がいいと書かれてあった。まぁ、もっともだな。次に、持株会について書かれてあったが、僕は運営担当者ではないのでパス。最後は担保権者の対応について、で締められていたが、ここで僕が忘れてしまった法律用語が頻出してきたので、復習も兼ねて調べてみた。

質権:債権者が債権の担保として債務者などから受け取った物(質物)を、債務が弁済されるまで手元に置き、弁済がないときはその物を競売して代金から他の債権者に優先して弁済を受ける担保権。
譲渡担保権:担保のために財産をいったん債権者に譲渡し、債務が弁済された場合には返還する形式をとる担保方法。
商事留意権:留意権が成立するには、債権が占有している物について生じたこと(牽連性)を要するが、商人間の取引において生じた債権が弁済期にある場合には、必ずしも債権が直接その物について生じたことを要しないこと。
略式質:質権設定者が質権者に株券を交付するだけで行う質入方法。この場合、外面的には現物株券の授受が行われているだけに過ぎない。そのため、略式質権者としては、第三者に自分の質権に基づく権利を主張できる根拠(第三者対抗要件)は、質権の目的となっている株券を継続的に占有している事実のみである。

上記の用語を踏まえた上で、株券に担保権を設定している場合はどうしたらいいのかというと、まず略式質にしている場合、質権者が質権設定者に対して、株券の機構への預託及び質権者の質権口座への振替を依頼する「通常預託」がある。しかし、この方法では質権設定者の協力が得られない場合、実施は不可能。

次に、質権者が、特定期間内に証券会社等を通じて機構に行う「特例預託」がある。この方法を使えば、質権者が質権設定者の口座を経由せず、直接証券会社に株券を預託することができる。しかし、証券会社は質権者の口座を開設する場合、質権設定者の口座を開設する旨を要請されているため、質権設定者の同意なく特例預託をすることは事実上不可能。

じゃあ他に担保を単独で保全する方法ないのかというと、特別登録質という方法がある。だだ、ここの記載については、先日の株券電子化のセミナー(→)では、この方法でサクッと預託可能みたいに説明されていたが、葉玉弁護士の解説では「出来る限り通常預託または特例預託によって、質権の保全を図るべき」とのことなので、よくわからなかった。

尚、譲渡担保権者の場合は、形式的には株式を譲り受けた者であるから、設定者の同意を得ることなく、自己の名義で株券を、証券会社等を通じて機構に預託することができる。
さて、自分で書いていて自分でも理解できなくなってきたが、結語として、株券電子化の問題点を充分に把握できていない関係者がまだまだ多い、との指摘があった。まさに、僕のことだな。今月中に株券電子化の本家本元である証券保管振替機構による解説セミナーがあるので、不明な部分はその時にわかるだろう(たぶん)。

とりあえず、これで今回は終わり。

*参考:「株券電子化と担保の問題」「譲渡担保

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