2008年2月16日土曜日

買収防衛策は必要なり

買収防衛策のリスク分析の結論がコンサルタントより報告された。

結論 買収防衛策は必要

理由は詳細には書かない(書けるわけがない)が、個人の感想としては「これ本当にいるのか?」と感じた。


【株主構成のリスク】
コンサルの見解:安定株主や持合株主は多いけれど、事業会社がプレミアムを乗せてTOBを仕掛けてきた場合、買収者に反対してくれない可能性はある。
僕の見解:安定株主というより、支配株主。某財閥名が上位株主にズラリと並び、現役員の8割はそこからの天下り。多少のプレミアムを付けられたくらいで、大事な天下り先を捨てるわけがない。

【財務リスク】
コンサルの見解:同業他社から見たら割安。
僕の見解:上場企業平均から見ると割安でもないし、同業他社と比べて有利子負債が沢山あるので旨みはない。

【仮想敵】
コンサルの見解:転売目的でファンドが買占めを始めるかも。
僕の見解:転売とか言い出したら、どこも同じなのでは…。

【結論】
コンサル:買収防衛策「も」入れましょう。
僕:自分ならこの会社を買うくらいなら、別の会社を買いますよ。もっと他社が防衛策を入れ始めてからでも遅くないのでは。


と、こんなことは言えるわけがない。

入社してよくわかったが、会社には触れてはいけないタブーが多々存在して、それは客観的に見ていらないようなものも「絶対にいらないとは言えないよね」という甘い解釈で残していたり、単に既得権者が甘い汁を吸うだけのものだったりするわけだ。今回の買収防衛策もそうだ。スティールパートナーズが暴れまわったりしているのを見て不安になったトップが、「とりあえずウチも何か入れておこう」と言い出した。天下っている割には、自分のイスは大事らしい。上場するとはどういうことか、ということを深く考えていないのだろう。

今回の防衛策の検討は、(トップが欲しいと言っているんだから)ほとんど結論ありきで、分析結果から本当に必要だと判断できたとは思えない。コンサルタントも、防衛策の実務に入れば更にフィーが発生するので、余程のことがない限り「いらない」とは判定しないだろう。

今後、防衛策導入に進んで、コンサルへのフィーで数千万円、法律事務所との契約で数千万円、それと第三者委員会の費用…。アフォですな。

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